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42/54的な目指すべき組織形態とは?

企業や部署、チームやバンドといった既存のトラッドな境界線とは異なるレイヤで、人と人がつながっていて、仕事や目的を持ったなんらかの活動をしている。それがいくつもある、という状態です。ここには、ピラミッド型の組織にはないロバストネス(強靭さ)とフレキシビリティ(柔軟さ)があると思います。

9 バーや寿司屋の価値ってどこにあると思いますか?」のエントリでもちょっと触れましたが、42/54的な目指すべき組織形態のイメージを整理しておきましょう。

例えば、ジャズ・ミュージシャン。あるバンドのドラマーは、自分がリーダーの別のバンドでも活動していて、さらに別のバンドでもプレイしている、というのが普通なのがジャズの世界です。それは、お金のためだったり、気が合うミュージシャンとクオリティの高い音楽を演奏するためだったり、腕を見込まれて請われて参加したプロジェクトだったりします。長い期間続くものもあれば、短期間のプロジェクトということもあり、1枚のアルバムのためだけに集まることもあります。

例えば、サッカー日本代表。普段はJリーグや海外のチームに所属していながら、代表戦には馳せ参じて試合をし、終わるとまた各々のチームに戻ってプレーする。こういう働き方がサッカーでは普通です。

基本的な居場所はあるとしても、その時々によるいろいろな事情や条件で複数のプロジェクトにかかわる。その際にチームやそこでの自分の立場を自在に選択できる。あるいは、メンバーを選ぶことができる。こういった活動のしかた、そういった面子が集まった結果としてのチームや組織、これが42/54がイメージする組織形態です。

企業や部署、チームやバンドといった既存のトラッドな境界線とは異なるレイヤで、人と人がつながっていて、仕事や目的を持ったなんらかの活動をしている。それがいくつもある。既存の枠組みが、いわゆるインターネットとドメインだとすると、VPN(virtual private network)的なものが多数存在して、それらに一人ひとりが多様なかかわり方をしている、という状態です。

ここには、ピラミッド型の組織にはないロバストネス(強靭さ)とフレキシビリティ(柔軟さ)があると思います。

 

書名
会社をつくれば自由になれる
出版社
インプレス/ミシマ社
著者名
竹田茂
単行本
232ページ
価格
1,600円(+税)
ISBN
4295003026
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