田邊 俊雅

田邊 俊雅Toshimasa Tanabe

1961年生まれ。北海道札幌市出身。富士通FIPでシステムエンジニア、日経BP社で専門雑誌編集、Webメディア編集・運営、読者コミュニティの運営などを経験後、2006年3月にWebサイトの企画・構築・運用サポートを主な事業ドメインとする「有限会社ハイブリッドメディア・ラボ」を設立。2014年3月、新規事業として富士山麓に「cafe TRAIL」を開業。好きな言葉は「筆は一本、箸は二本」「競馬は買わなきゃ当たらない」。

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「恒例行事」をどんどんそぎ落としていく

今年は、「ボジョレヌーヴォー」と「ひやおろし」を買うのをやめた。新酒とその季節を味わうという悪くない趣向ではあれど、残念ながらまったくどうでも良くなってしまった。時間も肝臓のキャパも限られているし、今、飲むべき酒は別にあるのだ。この手の恒例モノをそぎ落としていくことは、意外に大事なことかもしれない。

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けっして貧乏ではないのに「貧乏くさい」という話

「貧乏」と「貧乏くさい」の間には、天と地ほどの差がある、などと言っても、なかなか実感できないかもしれないので、今回は、30年も前の話ではありますが、それを実感できるであろうエピソードを。

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ダメな人の気持ちや行動が分かりますか?

起業するにしても雇われるにしても何にしても、組織やチームの一員となるときに最も重要なスキルは、「ダメな人の気持ちや行動が分かる」に尽きると思う。これは、年齢やポジションに関係なく、部下であるならば上司のダメなところが分かる、上司であれば部下のダメなところが分かる、そしてその人達はダメ故にどう行動するかが予測できる、というように「ダメ人間」にどれだけ理解があるか、という話なのだ。

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確定申告と会社の年次決算、納税がすべて完了する3月

私の会社は1-12月決算である。そのため、私個人の確定申告も会社の年次決算も、2月のうちにすべて完了させるようにしている。税金も全部一括で払ってしまった。払った金がどう使われるかにはあまり興味がなく、法律や制度の枠内でちゃんと払うという前提で、できる限り最適化する、ということだけを考えている。

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品質基準は自らの内に置く

中年起業の零細企業は、発注側にはできない「自らに品質基準を持てる得意なこと」をやる以外にないのである。ところがここに一つ、決定的に大きな問題がある。実は世の中は、品質というものについての尺度がない、品質を判断できない、という人がほとんどなのだ。

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ダメなコミュニケーションとは?

ダメなコミュニケーションに陥らないために共通なことは、このメッセージや情報が相手にとってどのような意味を持つか、受け取った相手は何を感じるか、ということをその情報を流す前に考える、もし同じようにこれを自分が受け取ったらどう感じるかを考える、ということに尽きます。

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一人で外で飯を食おう

「外食」という行為には、腹を満たすだけではないいろいろな側面がある。中でも、一人で外で飯を食うのは格別だ。一人での外食の楽しさや価値を何から例示しようかと考えてみたが、やはりそのとき食いたいものを好きなだけという「気楽さ」が筆頭だろう。そして、飲食店の客席には「反面教師」(要するにダメな客)が溢れている。なかなかに腹立たしいことも多々だったりするものの、彼らから何がどうダメなのかを学ぶことも外食の楽しみだ。

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テレビを捨てよう

「全国ニュースのトップがなんで豊洲市場なんだよ」というような感覚は、テレビがない生活では発生しません。トンチンカンなコメントに腹が立つこともありません。テレビから離れるもう一つの大きなメリットは、早朝から仕事ができるようになることです。テレビを見ているヒマはないのです。

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ホットドッグとFMラジオ

一人で会社をやっていると、巡航状態なのが望ましい一方で、新しいことになかなか踏み出せない、という望ましくない状況にも陥りがちである。これが当然、これが大事、と思っていたことを疑ってみることも必要だ。自分がまだ知らないところに出て行くことで、面白さに遭遇する確率が高くなる。

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予定が無いのは悪いことではない

「会議や打ち合わせなどの予定がない」という状況と「仕事がない」という状況は全くの別モノである、ということを認識すべきです。予定があるということは、時間を割いてリアルにそこに行っているということです。その間は何もできません。

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自分をマネジメントするために「会社」は不可欠

たとえ社長一人の会社であっても、法人と社長個人は別人格であり、会社という枠組みが社長をマネジメントするのです。会社と社長の距離感は、一人の会社であれば極めて近いものの、完全に一致することはありません。この完全に一致しない部分がマネジメントであり、健全な生活のために必要な機能なのです。

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「保証人、オレ」ができるのも会社あればこそ

通勤の都合や顧客の場所、あるいは自分の好きなところ、行動パターンに合った場所、家賃のコストダウンなど、さまざまな仕事やプライベートの都合に応じた住まいや事務所の選択が、会社があることでとても自由になります。法人契約と「保証人、オレ」という手が使えるようになることで、移転・転居の敷居をかなり低くすることができます。

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人生をクラウド化、オンデマンド化する

42/54的な生き方は、おそらくは富裕層のそれではありません。身の丈に合った生き方とでも言いますか、質素ではあるけれど貧乏くさくない、という状態を目指したいものです。そのためには、モノを所有するということについて、ちょっと考え方を変える必要があるかもしれません。

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あるエンジニアの起業と実感

会社にはいろいろな制約があり、エンジニアとしてはさまざまな妥協をせざるを得ない状況になります。自由な立場で自分でやったほうがはるかに上手くできる、と感じることも多いはずです。エンジニアの起業の難しいところは「営業をしたことがない」ということかもしれません。

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サクッと見積もりが作れること

IT業界などに顕著ですが、いわゆる「ゼネコン式」なエコシステムになっている業界では人月単価というものに大きなオーバーヘッドが乗っています。何重にもなった外注構造、そのすべての階層で利益が出るようになったものが、プライムコントラクターの人月単価です。こういった業界構造の中で自分の本当の価値を踏まえて「自分の価格」を設定するわけです。

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顧客はあなたがプロである点だけを評価する

人を雇うということは、その人を教育する前提であることを意味します。つまり、フリーランス的立場のあなたに仕事を依頼するということは、あなたのプロとしての能力を買うことにほかなりません。これまでの経験を武器にした仕事をすることこそが、あなたへのフィーが顧客にとって生きた金の使い方になることを意味します。「やったことありませんけれど頑張ります」はあり得ないのです。

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ベタですが、やっぱりITは大事

一人で仕事を進めていくうえでITは不可欠な要素です。自分の体は一つしかないので、いくつかの案件やプロジェクトにかかわるのであれば、ネットには常に居るけれど実際にはそのときに最も優先度の高いところに居る、という状態をキープしていることが必要になります。

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不得手なことを頼めること、ベースフローを作ること

誰にも得手不得手があります。自分でできることと自分でやるべきこと、誰かにお願いすべきことをはっきりさせ、その案件に最適なチームを編成して対応するということが大事だと思います。「会社のベースフローとなる案件があって、その上でアドホックな案件が積み上がる」という形が一つの理想形ですが、そのベースフローとなる案件をどうやって見つけ出し、それを継続性のあるビジネスにするか、ということが42/54的なスモールビジネスでは重要な意味を持ちます。

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42/54的な目指すべき組織形態とは?

企業や部署、チームやバンドといった既存のトラッドな境界線とは異なるレイヤで、人と人がつながっていて、仕事や目的を持ったなんらかの活動をしている。それがいくつもある、という状態です。ここには、ピラミッド型の組織にはないロバストネス(強靭さ)とフレキシビリティ(柔軟さ)があると思います。

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会計・税務の工夫も起業すればこそ

一人であっても会社を作ることの最大のメリットは「会社と自分は別人格であって、財布も別々だ」ということに尽きると思います。財布が別なので、お金の貸し借りができます。また、仕事関連の費用はすべて経費に計上できます。しかも、一人であれば、経費を使う立場でもあり、それを承認する唯一の立場でもあるのです。

9

バーや寿司屋の価値ってどこにあると思いますか?

バーテンダーや職人の高度な技は当然のこととして、バーや寿司屋の価値は、実は「高い品質のものを店に集まる人たちにシェアしてくれる」に尽きると思っています。高度な技も、これを実現するための一つの要素にすぎません。そしてこれは、全ての仕事について言えることだと思います。「42/54」がイメージする小規模で快適なビジネスと生活もまさにこれ。

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「真水、50万」からの脱却は夢か?

起業するに際して、家族の存在は無視できないでしょうし、住宅ローンや子供の教育費なども含めて、本来、起業しておくべき状況であるにもかかわらず起業できずにいる理由(言い訳)にもなり得ます。既にして起業せざるを得ない状況にあること、あるいは42/54的な人生イメージ、といったものへの家族の理解をどうやって得るか、という話はとても重要です。

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オフィス時々ノマド

自分の会社を作ったら、まずはオフィスを借りる、というのは悪くない選択です。まずは、オフィスの家賃と自分の給料が出るだけの売り上げが目標となります。もうひとつ重要なのは、ノマドワークが可能な態勢です。モバイルデータ通信と持ち歩けるノートPCは不可欠です。

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「収入の複線化」を常に意識する

会社を作ってから強く意識してきたことは、「収入の複線化」です。サラリーマンの場合、兼業禁止などの制約もありますが、自由に収入の構造を考えて実行できるのは、独立して生きて行くことの面白さの一つです。結果として「給料による年収」には興味が無くなります。

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大前提は「会社を当てにしてはいけない」

会社というものは、たった一つのプロジェクトの失敗から、あっというまに全体の業績が悪化してしまう、という例もいくつか見てきました。いつ、どうなってしまうか分からないのが会社です。サラリーマン生活をしていた頃でも、「会社を当てにしてはいけない」ということは常に意識していました。

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自然にONもOFFもなくなる

仕事も趣味も出張も旅行も、すべてが自分の生活です。呼吸をし飯を食うように、仕事も遊びも何もかもが自分の人生であり生活の一部なのです。雇われているからこそ、OFFが必要になるわけで、自分ひとりで生きていくという状況では、ONもOFFもありません。42/54的なライフスタイルの最大の特徴がこれではないかと思います。

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なぜ、42/54なのか?

大きくスケールするわけではないけれど継続性のあるビジネスで、しぶとく生きていく、という一見調子の悪いスタイル、それが42/54がイメージする仕事と生活の姿です。では、なぜ私たちがこういう結論に至ったのでしょうか? ちょっと振り返ってみます。